昨今、またCRMが注目されています。CRMとはCustomer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略で、訳すと顧客関係管理となります。アイティメディアの情報システム用語辞典では、
商品やサービスを提供する企業が顧客との間に、長期的・継続的で「親密な信頼関係」(リレーションシップ)を構築し、その価値と効果を最大化することで、顧客のベネフィットと企業のプロフィットを向上させることを目指す総合的な経営手法のこと。
と書かれています。簡単に言えば、サザエさんに出てくる三河屋に代表される御用聞きがCRMの活動だと言えます。
2000年ごろ、CRMが盛んに叫ばれました。そのきっかけはアンダーセン・コンサルティング(現在のアクセンチュア)によって1988年に出版された「CRM-顧客はそこにいる」という本だそうです。この本は読んでいませんが、情報システム(IT)を利用して、顧客データを分析して、顧客を識別し、ターゲット別のマーケティング施策を展開するというものでした。
なぜ最近またCRMが注目されているのかというと、
- 従来の広告が効きにくくなってきた
- ソーシャルメディアが普及した
- スマートフォンが普及した
- データ収集や計測・分析・連携の環境が整ってきた
からです。
従来のマス広告、雑誌広告、チラシなどが効きにくくなってきて、Web広告にシフトしてきています。Web広告はさまざまな手法が日々開発され、進歩を続けています。ソーシャルメディアの普及はいわゆる顧客のクチコミの力を強化し、その影響力は無視できなくなっています。スマートフォンの普及は、リアルな顧客の行動の捕捉を可能にしています。逆に言えば、場所とタイミングに合わせたコミュニケーションが必要になってきています。そしてITの進歩により以前よりもはるかに高性能に顧客のデータを計測、分析し、ビッグデータと連携することができるようになってきています。今後はディープラーニングのようなAIの進歩が、マーケティング施策のヒントも生み出すようになることでしょう。
WebやITをうまく利用した取組みこそがマーケティングの主流となり、 Customer Relationship Management から、Customer Relationship Marketing としてのCRMが重要になっているのです。